第7章 the past ③
「今日、調子はどうですか?」
俺は無理矢理話題を変える。
「え?最近調子いいんですよ。あなたのおかげかしら」
「え?」
「あなたが毎日来てくださるからいいんだと思うのだけれど」
「そうだといいな
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季節は巡り、81回目の秋。
一会が99歳になった日。
その日は調子はよく、白音さん、陽介さん、明光さんと僕とでちょっとしたサプライズをしようと話し合った。
もちろん、クラッカーは使わない。
ただ少しだけプレゼントを用意し、喜んでもらおうと思う。
「お母さん」
白音さんがまず一言。
「誕生日おめでとう」
「「「おめでとう」」」
そういうや、僕たちは四角の白い箱にオレンジのリボンの端に小さなガーベラが添えられている箱をずいっと差し出す。
それを布団の中にあった手を出し、受け取る。
「開けて開けて!」
陽介さんが「ほらほら」と言う。