第7章 the past ③
3月になり、一会はこの学校を卒業した。
卒業する前、僕たちは約束をした。
「離れてても大丈夫。会いに行くから」
「うん、待ってる」
果たされない約束。
胸が引き裂かれる想い。
この想いに僕は耐え切れず、自殺をはかる。
自殺しようと、左手首の頚動脈を切ろうとしたことがあった。
だけど、その直後、まるで時間が移動したように、僕はベッドの上で寝ていた。
左手首には切った跡すらなく、湯船に湯を張ったのに、湯はなかった。
時間を確認しても、然程進んでいない。
あぁ、そうか
本当の意味で不死身なんだな
時間が止まり、不老不死になっただけでなく、死のうとすれば、それは無かった事になる。
恐ろしい体だ
心底そう思った。
僕は学校を休むようになった。
休むようになって1ヶ月。
ベッドの中にいたはずなのに、僕は学校の教室で授業を受けている。
しかも制服で、ちゃんとノートを取っている。
嫌でも学校に行けということか
一会に、会いたい....
一会の命が危険に晒されたときは僕の羽根が教えてくれる
大丈夫だ
まだ一会は元気だ