第6章 遺書
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7月14日
今日はとてもいい1日だった。
病院の帰り道、1羽のカラスが怪我をしているようだったから看病するために家に連れて帰った。
そのカラスに名前を付けた。
『颯斗』
その名前を気に入ってくれたみたいでとても嬉しかった。
怪我が治ったら野生に戻そうかな。
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7月15日
今日は雨ですこし寒かった。
いつもと違う気温に目が覚めたくらいだ。
颯斗はぶるぶる震えてた。
フェルトをすこし切って被せてやったら震えが止まった。
今日は発作も起きず、薬が効いているみたい。
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7月16日
颯斗がなんのカラスなのか調べてみた。
ヤタガラスって言うらしい。
ヤタガラスは、日本神話に おいて神武東征の際、高皇産霊尊によって神武天皇の もとに遣わされ、熊野国から大和国への道案内をした。
らしい。
日本神話のカラスが私のところにいるなんて信じられない。
早く怪我を直して野生に戻させたい。
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