第4章 血縁関係
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放課後。
昨日の3対3の続きをする。
結果は田中、影山、日向チームが勝ち。
部活が終わり、部室でのこと。
吉川が着替えていると、足になにか落ちてきた。
「いたっ!」
吉川は反射的に右足を浮かせる。
足を見てみたら、一部が赤くなっている。
まるで、火傷のよう。
足元には信じられない物があった。
それは、大きな漆黒の羽根だった。
な、んで........?
吉川はその羽根から目を離せなかった。
「すみません。取ってくれますか?」
隣で着替えていた月島が羽根を指差している。
吉川は足を一歩引いた。
その羽根から。
月島から。
距離を取るように。
「ごめん。僕、羽毛アレルギーで。触れない」
今にも消え入る様な声。
「あ、そうなんですか」
月島は腰を折って手を伸ばし、羽根を取ると、カバンの中に入れる。
その行動を瞬き1つせず、吉川は見ている。
羽根が触れた右足の甲がジンジンと熱を帯びて痛い。
だが、吉川はそんなのに構っていられなかった。
いくつのも疑問が生まれる。
そして、ある1つの仮説が浮かび上がる。
『月島と一会は血縁関係がある』
という仮説だ。
その材料となるのが、月島が落としたあの羽根だ。
どうしてあの羽根を月島が持っている?
いや、どうして持てる?
あれは間違いなく僕の羽根だ
僕の羽根は1枚しかない