第4章 血縁関係
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3限目が終わると、田中は吉川の席へ行く。
「は、はやとぉ〜」
田中は泣きながら吉川に近付く。
吉川はぎょっとしてすかさず避ける。
「な、なんだよ」
「テストぉ〜」
なんだ、テストのことか
昨日やったとこ出たし大丈夫だろう
「テスト出来て嬉し泣きしてんのか?」
田中はぶんぶんと首を横に振る。
「え、出来な、かったの、か?」
恐る恐る聞いてみる。
今度は首を縦に振る。
な、なぜだっ!!
あんな簡単な問題が解けないっ!!
「昨日やったとこは出来たんだよ。だけど、それ以外が........」
田中は吉川に訴えるように言う。
涙は止まっていた。
「え、あ、そうなのか」
吉川は苦笑いを浮かべる。
あれが出来れば大概出来るんだけどな....
「田中」
「あ?」
「昨日やったとこは出来たんだよな?」
「あぁ」
「だったら、追試までになんとかすればいいんじゃないか?」
「ん?そうだな」
「僕がみっちり教えてやるよ」
田中の表情が明るくなる。
「い、いいのか?」
「あぁ」
「よっしゃー!」
あ、田中の扱い方が分かってきた
つか、喜び過ぎだ