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【ハイキュー】Re:year

第2章 出会い


月島の眼鏡はレンズに罅(ひび)が入り、少しフレームが変形している。
吉川は眼鏡をかけていない月島の顔を見て、はっと気付く。

「一会....」

「え....?」

吉川の声はすごく小さい声だった。
だけど、1番近くにいる月島には聞こえたようだ。
吉川は月島と目が合うと、ぱっと逸らす。
月島はそんな吉川を見て、眉間に皺を寄せる。

「ゲームは一旦中止だ」

澤村は月島の状態を見てそう判断したのだろう。
「立てるか?」と手を差し伸ばせば、月島は澤村の手を掴んで引き上げてもらう。

「今ならまだ眼鏡屋も開いているだろう。1人で大丈夫か?」

「大丈夫です。お先に失礼します」

月島は一礼すると、体育館を出て行った。
その後、ゲームは明日に持ち越され、練習となった。

*****

部活が終わり、部室でのこと。
吉川が着替えていると田中が、

「お前、勉強できたよな!?」

「あぁ。まぁ、出来なくはないけど....」

田中の表情がぱぁっと明るくなる。

そりゃ82回も高校2年してたら、自然と頭も良くなるよ

「頼む!この後少しでいいんだっ!生物教えてくれ!明日のテストで点取れなかったら追試なんだよぉ」

「あー言ってたな。そんなこと。わかった、いいよ」

「おー!!颯斗マジ神やわ!」

「あはは....。大地さん、いいですか?」

帰る仕度をしている澤村に許可をもらうため、聞く。

「いいよ。でも、ちゃんと鍵はしろよ?」

「ありがとうございます」

田中と吉川だけとなった部室はやたらと静かで、少し不気味だ。
部室には机が無いため、畳の上に教科書やノートを広げる。

「さて、やるか。りゅう、どこが分からないんだ?」

テスト範囲のページをめくりながら聞く。
テストと言っても小テストだ。
そこまで難しい問題は出さないだろう。
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