第2章 出会い
「二遺伝子雑種のとこなんだけど....」
田中は問題集を開く。
問題
エンドウには、種子の形が丸いものとしわのものがあり。子葉の色が黄色い物と緑色のものがある。いま、丸・黄(AABB)と、しわ・緑(aabb)を両親として交雑した。次の問に答えよ。
(1)F1は丸・黄ができ、その遺伝子型を示せ。
(2)F1がつくる配偶子について、 遺伝子の組み合わせとしてその比を示せ。
(3)F2の表現型の分離比を、最も簡単な整数比で示せ。
という問題である。
これ、ある意味簡単なんだけどな
「りゅう。(1)は分かるか?」
田中はぶんぶんと首を横に振る。
「まず、F1っていうのは、子供その①みたいなものだ。問題文にある『丸・黄(AABB)としわ・緑(aabb)』の子供な」
吉川は図を書いてわかり易く説明する。
「だから、AABB×aabbの子供がF1。すなわち、F1はAaBbとなる。わかる?」
田中は首を傾げ、
「なんでF1がAaBbになるんだ?」
「両親から1個ずつもらったから。丸はAAとAaしか有り得ないし、黄色もBBとBbしか有り得ない。aaだとしわになってしまうし、bbだと緑になってしまう。」
まだわからないようだ。
「じゃぁ、丸・黄(AABB)を父親で、しわ・緑(aabb)を母親だとしよう。父親の丸遺伝子からAを1つもらう。同様に、母親のしわ遺伝子のaを1つもらい、その2つが合体する。これでAaとなる。
次に、父親の黄遺伝子Bを1つもらい、母親からは緑遺伝子bを1つもらう。そしてまた合体してBb。AaとBbを合体さしたらAaBbとなる。わかった?」
「おぉー!なるほど!!あれがあーなって、これがこーなって........」
吉川は一通り説明し、田中に問題を解くように言う。
その間吉川はボーとしていた。
すると、田中が、
「颯斗ってさ、月島と知り合いなのか?」
「え!?」
ビックリしたようで、大きな声を出す。
田中はその声にビックリしたようで、動かしていた手を止めてしまった。
「いや、知り合いじゃないんだ」
「じゃぁなんであんな懐かしそうな顔して月島見てたんだ?」
「え、そんな顔してた?」
田中はコクコクと頷く。