第2章 出会い
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放課後。
体育館には12人の男子がいる。
「なぁ、りゅう。颯斗はどうした?」
西谷は一緒にレシーブ練をしている田中に聞く。
「あぁ。あいつなら今日日直で遅れるぞ」
「え、あいつ出席番号最後だろ?」
「俺のクラスは最後の人から日直なんだ」
「あぁ、そうなんだ」
と、その時。
「遅れてすみません!!」
急いで来たのか、軽く汗をかいている吉川が扉にいる。
「お、吉川来たか。集合!!」
澤村が集合をかける。
吉川の目がみるみるうちに大きくなる。
その視線の先には、昼休みに第2体育館で一瞬見えたあの薄い金色。
え....
一会がどうして....
いや、違う
一会じゃない
ただ似ているだけ
でもどうしてそこまで似ているのだろう
髪の色だけじゃない
目も鼻も全て....瓜二つだ....
だめだ....このままここにいたら....
僕は....
「吉川、何してる。早くしな、いか…?吉川!?」
澤村がギョッとして吉川に近付く。
他の12人も寄ってくる。
「え…?」
吉川の目から大粒の涙が流れ落ちている。
「ちょっお前。どうした!!」
澤村が聞く。
他の人もみんな心配している。
「....すみません」