第2章 出会い
自己紹介が終わると、円になり主将の澤村が話し出した。
「さて、早速だが、明日の部活の時間を使って、ちょっとしたゲームをする。1年はあと2人入ることになっているから、3対3でやってもらう」
「え、あと2人はどうするんですか?」
日向が首を傾げて聞く。
「あと2人は........そうだな。田中、入ってくれるか?」
「え、オレっすか!?」
「なんだ。嫌なのか?抜擢(ばってき)だと思うんだが」
澤村が少しニヤッとする。
「ま、マジっすか!?是非ともオレにお任せください!」
澤村は「よし」と言い、「あと1人はどうしようか」と悩んでいると、菅原が提案してきた。
「大地が入ったら?その方が、いろいろと分かるだろ?」
「それもそうだな。よし!田中は日向・影山チーム。俺があとの2人の方に入ろう」
「え、俺、こいつと一緒ですか?」
影山がなにか不安げに言う。
隣で日向が「なっ!嫌なのかよ」と言うが、影山には届かない。
「そうだが、なにか都合悪いのか?」
影山は「いや、べつに........」とごにょごにょ言っている。
「この後少ししかないが、3人で練習するといいだろう」
「……はい」
*****
澤村に言われた通り、3人は居残り練習をしている。
残っているのは4人だが。
他の人は先に帰ってしまった。
吉川は「なんとなく残る」と言い残っている。
最初は壁打ちをしていたが、田中に呼ばれ、3人の練習に付き合っている。
「なんでそんなもんも取れねーんだ!下手くそ!」
影山はレシーブが苦手である日向に向かって叫ぶ。
もう少し違う言い方をすればいいのに
なんでそう言うかな
確かに下手だけど....
吉川が余所見をしていると、ボールが頭の上に落ちてきた。
「いてっ」と吉川は唸り、ボールを拾う。
「こらー!吉川!余所見するんじゃねー」
「おーわりぃわりぃ。いくよー」