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ハリポタ・短編集

第3章 家族写真  ハリー誕生日夢/捏造/3年生前の夏休み


夏休みに入りダーズリー家でいつもの暮らしが始まった。

2階へと続く階段の下、小さな小さな物置小屋という名の自室でヘドウィグと殆どの時間をここで過ごす。
叔父や叔母、そして従兄のダドリーからも罵声や嫌がらせを受けるのもいつもの事だ。

けれど、ホグワーツで友人達と過ごす経験をした僕は年々耐性が弱まっているみたいで、たった3日しか経ってないのにイライラとした気持ちをどうすることも出来ずに参っていた。


そんな時だーーー来客を知らせるベルが鳴ったのは。


ペチュニア叔母さんが部屋の前を通り過ぎて行くのを気配で感じて僕はドアに近づいて耳をすました。

玄関で軽くお喋りをした後にリビングへと向かう2つの足音。
リビングに足を踏み入れたのだろうーー従兄のダドリーが大きな声で来客者の名前を呼んだ。

僕はその名前を聞いた瞬間部屋を飛び出した。

バタンと階段の横壁に当たった扉の大きな音でリビングに居た皆の視線が集まる。
4人の中で1人だけ僕に違う視線を寄越す彼女に、考えもなしに飛び出した僕は申し訳なくなってきて俯いた。

そんな僕に追い打ちをかける様にペチュニア叔母さんはキーキー声で罵声を浴びせ始める。

「ハリー!勝手に出て来るんじゃないよ!誰が出てきていいってー「姉さん」

凛とした声を響かせ叔母さんの言葉を遮った彼女は僕に背を向け一言。

「この子、少し借りてもいいかしら?」

彼女の突然の言葉に対して「どの子?」といった感じで眉をひそめる叔母さんに今度は僕の方を向いて彼女は言った。

「買い物をしたいのよ。言う事を聞かない罰として荷物持ちをさせるから…良いでしょ?」

「そうね!この子はそんな事でしか役に立たない子だものね」

僕だけに顔が見える様に立っている彼女は、冷たい言葉とは裏腹に舌を出して悪戯っ子みたいに笑う。
それを知らない叔母さんは名案だと言わんばかりに顔を輝かせ、僕を見ると怒鳴り声にも似た声で続けた。

「ハリー!!ネームの為にしっかりと働いてきなさい!」

「はい…叔母さん」

数年前にあった時と同じ声と笑顔の彼女に僕は嬉しさで笑顔にならないように落ち込んだ表情を作るので大変だった。
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