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ハリポタ・短編集

第2章 僕をカエルのは君  ネビル誕生日夢


「まさか君に迷惑をかけちゃうなんて!」

「迷惑だなんて、ただビックリしただけよ」

ネビルは魔法薬学、ネームは薬草学の教科書と羊皮紙を出して座った2人はペンを持つ事無く会話を楽しんでいた。

勿論、話題は先程のトレバー事件である。

「でも…ネームは女の子だしカエルとか気持ち悪くないの?」

「私は平気よ!それに、あの子愛嬌があって可愛いと思うわ」

ネームは少し変わってるとネビルは思った。
薬草学が苦手だからと自分に教えてほしいと言って来た時も、代わりに自分の苦手な魔法薬学を教えてくれると言った時も…トレバーを可愛いと言う子もネーム以外にはいないと思うからだ。

「だから魔法薬学も得意なのかも」

と、戯けた調子で言ったネームにネビルは笑いながら「トレバーは鍋に入れないでね?」と戯けて返した。



「ネービールッ!」

「ネーム」

「はい、プレゼント」

生徒達は明後日から夏季休暇の為、ホグワーツで過ごす夜は今日で暫くお預けだ。

あれからもネームとはよく勉強会をしていたネビル。
けれど、あの日以来トレバーは抜け出してはネームに見つかるという事を繰り返していて、ネビルはそれに頭を抱えていた。

現に『プレゼント』と称されネームに手渡されたのは今朝から姿が見えなくなっていたトレバーであり、軽く溜息をついてぎこちない笑顔で感謝の言葉と謝罪を口にした。

しかし、被害者のネームは特別気にした様子もなく、むしろ溜息をついたネビルの心配をする程親しくしてくれている。

向かいの席に座りネビルと暫くの間雑談をしたネームは、大広間の扉近くから自分を呼ぶ友人に答える様に手を上げると立ち上がりながら言った。

「ネビルが元気になる様に誕生日にはとびきりのイタズラグッズを贈るわ」

「トレバーにも、ね」と、ウィンクをして颯爽と駆けて行くネームの後ろ姿をネビルは困り顔で見送った。



後日、メッセージと共にクソ爆弾やゲップ粉、カエルチョコなどが送られてきた。

クソ爆弾などはスネイプに使い、トレバーにはカエルチョコを…と書かれたカードを読んでとても嬉しそうに笑うネビル。

そっと机の上に置かれたカードの最後には『HAPPY BIRTHDAY』の文字が文字通り踊りまくっていた。
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