第1章 本編
───次の日
「んー…いい天気だね!」
「せやなぁ」
私はウキウキ気分で野原を走り回った。
「侑士もこっちおいでよ!」
私は手招きをした。
「ホンマ元気やなぁ、不二子は。」
「ねぇ見て!この花、何ていうのかな?」
私は忍足に問い掛けた。
「シロツメクサやな。よくこれで花冠作るやろ」
「そうなんだぁ!侑士って物知りだね!」
「これ位普通やって…」
忍足はちょっと照れていた。
「あっ!クローバーがあるね。四つ葉ないかな?」
私は目をランランとさせて探し始めた。
探し始めること10分…
「あっ!侑士あったよ!四つ葉のクローバー!」
私はちょっと興奮気味で忍足に駆け寄った。しかし、
「きゃっ!」
私は何かに躓いて転んでしまった。
「大丈夫か、不二子!?」
「ちょっと痛いけど大丈夫だよ」
「こないな場所で走るから、こうなるんやで?」
忍足は汚れを払いながら、私に注意をした。
「次からは気をつけるよ」
私は笑いながら答えた。
「そろそろお昼やねんけど…?」
「そういえばお腹もすいてきたなぁ。食べよっか!」
私は、用意してきたシートとお弁当を広げた。そして、紙コップにお茶を注ぎ、忍足に渡した。
「じゃーん!」
「うまそうやな!ぱくっ…」
「…ど、どう?」
私は恐る恐る聞いてみた。
「自分、メッチャうまいで!」
「本当?よかったぁ…いっぱい食べてね!」
私のお弁当は、忍足の口にあったみたいで…
「自分、料理上手いんやな!」
と褒められまくった。なんだか照れくさい気もしたが、悪い気はしなかった。