第1章 本編
「侑士!一緒に帰ろう?」
「悪い。今日は岳斗とテニスボール買いに行くねん」
またある日は、
「侑士!」
「今日は、おかんに買い物頼まれてんねん」
またある日は、
「明日部活休みだよね?どこか遊びに行こうよ!」
「明日は宍戸達と、遊ぶ約束があんのや」
というように、忍足には予定がびっちり。私との時間が明らかに少ない…
「じゃあ、いつなら暇なのよ?」
「せやな…前もって言ってくれたら、予定空けとくで?」
「…分かった。今度からは前もって言うようにするね?」
私の行動にはこのような理由があった。それが、今に至るのである。
「で、明日暇?」
私は再度忍足に確認を取った。
「せやなぁ…明日は予定空けとくわ」
「本当!?やった!」
私は跳ね上がって喜んだ。
「あんまり飛ぶなや!パンツ見えるで」
「きゃっ!」
私は着地に失敗して尻餅をついた。
「いたたた…」
「水色…」
「え?あっ!」
私は急いで足を閉じた。
「…見た?」
「えぇもん見たわ、おおきに」
「…っ!エッチ!」
私は忍足にそう言って、走り出した。しかし、忍足に腕を掴まれ引き寄せられてしまった。
「まぁ落ち着き。」
忍足はそう言うと、私を抱きしめた。
「だ誰か来たらどうするの!?」
「いいんや」
忍足は腕の中の私に、
「見せつけてやればえぇんや」
と言って、頬にキスをした。
「不二子が行きたい所はどこや?明日はそこにデートや。せっかくの休みやし」
「野原に行きたい!私お弁当作って行くね!」
「手作りか、楽しみにしとくわ」
忍足は優しく微笑んだ。そして、優しくキスをしてくれた。
───ガタン! パタパタパタパタ…
屋上の扉から音がした。
「見られたかな?」
「多分な」
その後、2人はちょっぴり照れながら教室に戻ったのは言うまでもない…