第4章 《Free!》惚れたあの子
《三谷美樹side》
「好きだ、美樹」
突然の告白に思考が追い付かない。
「え?」
「今すぐに答えなくていい…」
御子柴の顔を見れば、少し頬を赤く染めていた。真剣な眼差しにふざけているのではないことが分かった。
「分かった…」
そう言ってすぐに駆け出し家に帰る。家に帰り、お風呂につかり、考えた。
御子柴に告白され、少し気が動転している。いきなりの事で頭の整理がつかない。
「はあ…」
湯船に鼻まで浸かる。御子柴のことは嫌いではないが異性として好きだとか考えたことはなかった。今まで私はどんな風に御子柴を見ていたのか。
「…ずっと見てた…か」
中学の時から色々と関わってきた。ドキッとした面もあった。御子柴と付き合ったらどうなるんだろうか…。
**********************
「美樹ーなんか隣のクラスの男子が呼んでるよー?」
「うんー今行くー」
呼び出されて言われたのは「好きです」の一言。昨日の御子柴の告白を思い出し、一気に赤面する。御子柴に告白されるのと違う人に告白されるのとでは全然違う。
「三谷?」
「ごめん、私好きな人がいるんだ」
そう言ってその場を立ち去る。なんでこんなに違うのだろうか。
「美樹ーって!どうしたの?!顔、真っ赤だよ?」
「う、うんっごめん、顔洗ってくる!」
教室を出て水道水で顔を洗う。顔が熱い。御子柴の事が頭から離れない。告白されてから妙に意識しているようだ。
「しっかりしなきゃな!」
バシンと頬を叩き、気合いを入れる。…のだが。