第4章 《Free!》惚れたあの子
「いやっ彼氏じゃないって言うか…これからなるって言うか…」
いまだに告白していない自分が悔やまれる。
「美樹センセーは俺と結婚するんだからなー!」
するともう一人の男の子が俺に食って掛かってきた。
「成る程、美樹センセーはなんて言ってるんだ?」
「大きくなったらって言ってたぞ!」
こんなガキに三谷には渡すか…と思っている間に休憩時間に。
「どうだ?御子柴?上手く教えてやれてるか?」
楽しそうに聞いてくる。
「色んな意味で大変だな」
「ハハハッそっか」
「美樹センセー!」
「ん?どうした?」
さっき、教えていた女の子が三谷に駆け寄ってきた。
「美樹センセーは彼氏いないの?」
「いないって前も言っただろ?」
「じゃあ、御子柴センセーは?」
ブハッ
飲んでいたスポーツドリンクを思いっきり吹き出す。いきなりなんてことを聞き出すんだ子供は。
「御子柴は同期生で彼氏でもなんでもないんだ」
「友達なの?」
「そう、友達」
その言葉を聞くだけで悲しくなる。まあ、告白していないのだから友達と言うのはあっているがこうもはっきり言われるとなんだか切ない。
「悪いな、御子柴」
「なにがだ?」
「なんか誤解されてるみたいで、彼氏とかに間違われるのは御子柴も迷惑だろ?」
「別に大丈夫だ、気にするな」
「なら良かった!あ、久々にご飯食べに行かないか?私が奢るよ」
「おっじゃあ、行かせてもらうわ」
思わぬ誘いにテンションが上がる。もしかしたら、告白する機会もあるかもしれない。