第3章 《Free!》サプライズバースディ
「元々、どんな形してたんだ?」
「鮫の形してたんだ…凛ちゃんに合いそうだったから」
しょぼんと項垂れる漆。こうして来てくれただけでもう最高のプレゼントだと言うのに。
「ありがとな、漆」
砕けてしまったガラスのオブジェクトを受け取り、机に置く。
「気持ちだけで十分だ」
「ごめんね、凛ちゃん」
落ち込む漆を励まし、とりあえず向こうでの事を聞いてみる。
「向こうじゃどうなんだ?」
「元気にやってるよ、この前はね、球技大会もしたんだよ!」
学校の事を聞いているといつも思うのが…。
「誰かにその…告白とかされてないだろうな?」
「大丈夫だよっ凛ちゃんは心配性だなー」
心配にもなる。こんなに元気で可愛い…いやいや、じゃなくて可愛いがそうことじゃなく遠距離だから気持ちが遠退いていたりしないだろうかと言う問題で。
「大丈夫、私は凛ちゃんしか好きじゃないから!あ、愛ちゃんとかが嫌いとかじゃなくて凛ちゃんは異性として好きって意味!」
「それが聞ければ十分だ」