第3章 《Free!》サプライズバースディ
たっぷり散策した後、お婆ちゃんの家に戻り、お手伝いをする。お婆ちゃんはちょっとしたお菓子屋をやっている。冬でもお客さんは沢山来る。
「あら、漆ちゃんじゃないのー!夏以来ね!」
「はいっこんにちはっ」
「今日はどうしたの?わざわざ、こっちまできて」
「ちょっとした用事です」
私は会計と袋詰めを手伝い、それだけで一日が過ぎた。
**********************
次の日ー
「と、とりあえず、メールしとこうかな!」
ワクワクドキドキで手が震える。凛ちゃんに誕生日メールを送り、それからお兄ちゃんに電話を入れ、部活が何時に終わるかを聞く。
「5時くらいか…」
まだまだ時間がある。お兄ちゃんに例の物を用意してもらい、準備万端。
「漆ー?」
「なにー?お婆ちゃん?」
「和菓子を作ってるんだけど、やってみるかい?」
「うん!やるやる!」
作っていたのは花の形をした和菓子だった。…そうだ、自分で手作りして凛ちゃんに食べてもらおう。気合いを入れて作ってみるもなかなか上手く作れないものだ。
「そこは優しく形を作るんだよ」
「うんっ」