第2章 《ハイキュー!!》埋まらない距離
「運んでくれてありがとう、薫」
「ううんっ大丈夫!頑張ってね、潔子!」
「うん、薫も練習試合頑張って」
静かで口数も多い方ではないがちゃんと皆のことを考えている。男子バレー部はしあわせものだなあ。
放課後ー
「ナイッサー!」
「こっち任せて!」
少ない人数を二つに分け、試合のように練習する。今、向こう側のスパイカーがスパイクを打った。それを私は紙一重のところで拾う。
「薫、ナイス!」
リベロはひたすら拾うこと。空では戦えない。私はリベロと言うポジションを気に入っている。攻撃は出来ないが、相手のスパイカーが打ったボールを紙一重のところで拾う。もう落ちるんじゃないかと思うところでそれを拾う。
「薫!カバーお願い!」
「了解!」
アンダーでボールを上げ、セッターに持っていく。私が諦めずにボールを拾い続ければ、得点に繋がる。ノヤさんもそう言っていた。
***********************
「ふぅ…今日は一段と疲れたなあ」
もうすぐ練習試合だ。練習試合だからと言って気を抜けない。
「ノヤさん!」
「あ!薫さん!」
変わらずのノヤさんがいる。いつも通りの練習。自宅謹慎が解けたらもう、こうやって練習も話も出来なくなるのだろうか。