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色々短編集

第2章 《ハイキュー!!》埋まらない距離


土曜日ー

やっとの休日、今日もノヤさんの家で朝から練習に付き合う。

「薫さん、今度の土曜日、試合だよな?」

「うん、それがどうかした?」

「いや!頑張ってこいよ!ってこと!」

「ありがとう、勿論勝ってくるからね!」

ノヤさんはどんなボールでも取れるようになりたいと言っていた。平日はママさんバレーに混じったりしているとも聞いた。並々ならぬ努力に私も尊敬している。

「少し休憩挟もう、ノヤさん」

「おう!」

縁側に座り、水分を補給する。隣に座るノヤさんをチラリと見る。私より少し背が低い、でも体つきは男子そのものだ。

「ノヤさん」

「ん?」

「ノヤさんはさ…好きな人とかいないの?」

「潔子さん!!」

「アハハッ、やっぱりか」

「潔子さんに早く会いたいな!潔子さんがいるところはいつでも清らかだからな!」

やっぱり、敵わない…。潔子は綺麗だし、色気もあるし…。楽しそうに喋るノヤさん、楽しそうにしてるのは私も嬉しいのだが寂しくもなる。

「そうゆう薫さんは?」

「え!?わ、私はー…」

「?」

「いるんだけど…その人にはさ別に好きな人がいるんだよ…だから」

「諦めるのか?」

「え?」

「諦めたらそこで終わりだろ?バレーも一緒、諦めずにボールを拾えばいつか得点に繋がる!」

「…そうだね、頑張ってみるよ」

ノヤさんにいつも元気を貰う。諦めないで私はノヤさんに気持ちを伝えられるだろうか。


**********************


「潔子、私も手伝うよ?」

「あ、ありがとう、薫」

廊下で潔子が重そうに何かを運んでいたので手伝う。中身は新しいジャージとユニフォームだった。

「これ、全部手直しするの?」

「うん」

「大変だね、マネージャーも」

「本当に大変なのは選手の方だし、私にはこれくらいしか出来ないから」

潔子、こういうところ好きだわ。烏野のジャージやユニフォームを見ながら、ノヤさんも戻ってきたら着るんだろうなと考える。
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