第2章 ~生け贄の少年~
少年は、捧げられた。
「・・・っ!!出せ!オレを此所から出せェ!!」
ーさぁ、祈ろう!!
「出せぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
ー『魔界の王』よ!『生け贄』を捧げた!!
ー此で情を、癒して呉れ!!!
少年は嘆いた。
「オレは死にたくない・・・っ、なのに、なのに何でっ、・・・死にたくない!オレは、死にたくない・・・っ!!」
打が、少年の嘆きは届かない。
少年は想った。
どうせ死ぬのなら
「・・・愛されて・・・死にたかった・・・っ、」
少年は生まれて間も無く、右目を無くした。
其のせいで母に棄てられ、家を出された。
路頭に迷った少年は、人々に嫌われた。
暴力や性処理、人々は少年を捕まえ『道具』にした。
少年は其に、去れるがままだった。
打が、今度は『生け贄』として死ねと云う。
理不尽だと、少年は嘆いた。
暗い、暗い『王の間』で嘆いた。
すると、少年の嘆きに応える者が居た。
「・・・貴方はまだ、死にたくないの?」
「・・・っ!!?」
「此所に、捧げられたのに?」
「・・・・・・」
「為ら・・・『魔界の王』に気に入られれば良いよ?」
「・・・・・・えっ?」