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貴方に魅射られて

第7章 ~右目~


長い眠りから覚醒した佐助は、辺りを見渡しベットから起き上がろうとした。

「・・・此所、は・・・っ!?」
「まだ動くな、傷に触る。」

ーまだ寝て無きゃ駄目。

「・・・っ、かすが・・・小太郎、」

打が、同僚の二人に止められ再び寝かされた。
佐助とかすが、小太郎は“鵺鴉″と呼ばれる種族だ。
主に『他種族の情報収集』、云わば『情報屋』を行って居る。
他種族同士の武力抗争、同族間の差別等が無いか調べ王に提示報告を行う。
報告に問題が有れば真意を探る為、“張り込み”云わば『隠密行動』だ。
其の為、殆ど館に居ないと云って良い。

「・・・何で、二人が此に?仕事は、終った訳?」
「貴様が寝込んで居る間に、全て終らせた。」
「・・・・・・(コクン)」
「其に、明日は“晩餐会”打からな、其の為の衣裳を新調して来た。貴様の分はついでだ。私と小太郎が選んで遣ったんだから有難く想え。」

ー佐助に似合いそうな衣裳選んで来たから。

「・・・かすが、小太郎・・・有難うね、衣裳選んで呉れて・・・」
「・・・フン、」
「・・・あのさ、旦那は?何時も為ら傍に居る筈難だけど?」
「幸村為ら、慶次と元親、元就と一緒に晩餐会に着てく衣裳の新調しに行ったぞ。」
「えっ?!旦那も俺様と一緒に怪我した筈難だけど!?治癒能力高過ぎでしょ!?」
「幸村が異常な丈で、貴様が普通難だが。」

ー王が治してくれたから、御礼した方が良いよ。

「・・・王が、旦那と俺を・・・?!」

ー政宗って子が御願いしたそうだよ。其の子にも、御礼云ってね?

「・・・・・・政宗・・・・・・」

其の後、かすがと小太郎が退出した部屋で、佐助は暫く、一人考え事をした。



一方、佐助が目覚める数時間前。
ドレスルームでは、使用人達が忙しなく部屋の中を行き来して居た。
事の始まりは政宗が放った一言

「晩餐会って、何来てけば良いんだ?」

其の一言に、小十郎は己の耳を疑った。
政宗が居た世界、『人間界』には晩餐会と云う行事が無いのかと。
例え有ったと仕手も『上級貴族の社交場』、云わば『食事会』程度のモノ。
政宗は幼少時代、『生け贄』として駆り出された為、晩餐会と云う詞事態初耳らしい。
其に、食事と云う食事をして来なかった政宗に取って、晩餐会は初体験に等しい。

「政宗、晩餐会に行くには身形を整えるんだ。」
「身形って?」
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