第6章 ~声~
掠れ行く意識の中で、佐助が見た政宗の表情は快楽に歪んで居た。
地下から一直線に破壊行動を行った其のモノは、屋根を突き破り外に出た。
其のモノは、気を失った佐助と幸村を掲げながら辺りを見渡した。
そして、目当てのモノを発見した其のモノは笑い出した。
「キシ、キシシ、キシシシシシシ、遅い到着打ねぇ主はぁ?」
「・・・・・・」
「キシシシシ、態と?敢えて態と登場する趣味が有ったのかねぇ?」
「・・・減らず口は其の辺にして貰おうか政宗・・・否『破滅の王』よ・・・」
「相変わらず堅物打ねぇ『魔界の王』は・・・」
『破滅の王』と呼ばれたモノは、『魔界の王』ー小十郎と対峙した。
「吾の名を知らんのか?其とも、知らん振りをする積りか?」
「何故、名を呼ばねば為らねぇ。貴様には必要無いだろ。」
「連れない、連れないぃ。コヤツの名は呼ぶ癖に、吾の名は呼ばんのか?」
「政宗は政宗、貴様は貴様。其れ丈の違いだ。」
『破滅の王』は政宗の顔と声で頬を膨らました。
端から見れば可愛らしい行動打が、小十郎の心中は穏やかでは無い。
政宗の身体に憑依した『破滅の王』を、政宗を傷付けずに救出するかが問題だった。
そんな小十郎の心中を知手か知らずか、『破滅の王』は笑って居た。
「吾が如何にして憑依したか気に為るか?気に為るだろ?」
「・・・別に・・・」
「そうか、気に為るか!!特別に教えて遣ろう。何、簡単よ。コヤツが吾の封印を解き、取り付いただけの事じゃぁ。」
「・・・!!?」
「キシシ、人間の癖に遣り居るわぁ。」
小十郎は『破滅の王』の発言に詞を失った。
もし、奴の発言が本当なら最悪の事態に陥った事に為る。
ー政宗が、政宗が奴の封印を解いた?!有り得ねぇ、有り得る訳がねぇ!!政宗は人間だ、封印の解き方何て知る訳がねぇ!!そう、間違い。全て奴の間違いだ、間違い打と云ってくれ政宗・・・!!!!
「・・・信じられないって顔打なぁ・・・吾が云った事は全て真実、嘘等無いぞ。」
「・・・証拠は、何処だ・・・」
「疑り深い奴、まぁ善い。此で、信じるか?」
「・・・・・・っ!!?」
『破滅の王』が取り出したモノに、小十郎は詞に詰まった。
『破滅の王』が取り出したモノ、其はー
「ー貴様を封じた、『術式紋様式伍型封印紋様術』!!政宗が其を触ったと云うのか!!?」