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貴方に魅射られて

第6章 ~声~


暗い、暗い地下の一室に其は在った。
厳重な結界を張り巡らされた其は、異様な光を放って居た。
微かに鼓動する光は、不気味な威圧感を醸し出して居る。
其は、微かに何かを放って居た。
ある者を呼ぶために、暗い地下の一室から・・・ー



ー・・・・・・■■・・・・・・

「・・・・・・んぁ・・・誰・・・?」

政宗は、何者かに呼ばれた様な声を聴いて重い瞼を醒ました。
打が、辺りを見渡せど其の声の主は居なかった。

ー・・・気のせいか?

ー・・・・・・■■・・・・・・

「・・・・・・!!!?」

又も聴こえた声に振り返っても、誰も居なかった。
政宗は、次第に恐怖を覚えて部屋を飛び出して廊下を走り出した。

ー誰だよ一体!!オレを呼ぶのはよぉ・・・!!

館の廊下を走る政宗を呼び止める者が居た。
其は

「政宗殿オオオォオォオオオォォォっ!!!!」
「ヌアァァァアアァアアアァァッ?!!!」
「政宗殿オォ!どちらに向かわれる御積りかアァ!!」

館の住人、幸村だった。
政宗は、幸村の猛攻直進を背中に受け、幸村諸頭も廊下に押し倒された。
当の幸村は、政宗の背中の上で元気溌剌だった。

「旦那アァ!!潰してる、潰してる!!」
「・・・ム?・・・ヌアッ?!済まぬで御座る政宗殿オォ!!」
「・・・・・・・・・」

数分後、幸村の強烈な一撃から回復した政宗は、幸村に唸り声を挙げて居た。
そんな政宗を、仲介役の佐助が(半ば無理矢理)怒りを静めて居た。
幸村は、廊下に頭を打ち付けながら謝罪した為、渋々怒りの矛先を政宗は納めた。
政宗の怒りが納まったのを確認した佐助が話を切り出した。

「で、政宗は何処に向かってたのさ?」
「・・・声の・・・する方に・・・」
「声?旦那には聴こえた?」
「否、聴こえぬで御座る。」
「・・・・・・」
「・・・政宗は其の声に、聴き覚えがー」
「ー無い・・・そもそも、此方の世界に知り合い居ねぇ・・・」
「ですよねぇ~・・・」
「為らば。其の声を便りに調べるのが、一番手っ取り早いで御座る政宗殿。」
「えっ?!知らない声打よ旦那?!其に、政宗に何か遭ったら殺されるよ!!王に、確実に!!」
「其の時は其の時で御座る!!政宗殿、行くで御座るよ!!」
「・・・オウ!!」
「どうなっても知らないよォ~!!」

此の判断が後に、彼等を恐怖に陥れる羽目に為った。
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