第5章 ~探検~
次に来た部屋は、継ぎ接ぎだらけの扉だった。
「此に住む御方は、機械弄りが好きなので御座る。」
「・・・ふ~ん・・・」
「失礼するで御座るよ、元親殿ぉ~。」
「なんでぃ、幸村。俺様に用かよ?」
部屋の住人の元親は、慶次と同じ位の身長で銀髪の髪に左目に眼帯を着けて居た。
「紹介するで御座る、此方は元親殿。」
「アンタが新入りかい?俺は元親。機械の事なら、何でも聴いてくれ。」
「政宗だ・・・宜しく、元親・・・」
「何でぃ、アンタ。幸村の後に隠れて・・・」
幸村の背中に隠れて、中々出て来ない政宗を見た元親は、顔をしかめながら話し掛けた。
「・・・あぁ・・・元就殿の部屋に行った後から此の調子で御座る故、気にする事は無いで御座るよ、元親殿。」
幸村の口から元就の名を聴いた途端、元親は顔を歪めた。
「チッ・・・又彼奴は・・・政宗って云ったっけ?元就には俺から云っとくから、オメェさんは気にすんな。彼奴は、何時も嗚呼打からよぉ~・・・」
「元親殿と元就殿は、幼馴染みで御座る。」
「住んでた所が隣近所だっただけだ。」
「・・・・・・解った・・・有難う、元親・・・」
「礼は要らねぇよ。彼奴は只、人付き合いが苦手なんだ。口はワリィけどな。」
元親は、政宗の礼に照れ臭そうに応えた。
「では元親殿、某達は此で失礼するで御座る。」
「じゃあな、元親。」
「おぉ。又な、政宗。」
一行は、元親の部屋を後にした。
政宗達を見送った元親は、造り欠けのカラクリを触りながら
「・・・政宗・・・御前は一体、何物だ・・・?」
独り呟いた。