第5章 ~探検~
暫くして、政宗は長い眠りから眼を醒ました。
打が、隣で寝て居る筈の小十郎の姿が無かった。
すると、部屋の扉が開き使用人が入って来たのを見た政宗は、不安気な表情で話し掛けた。
「・・・・・・小十郎・・・何処・・・?」
「・・・あら、御目覚めですか?」
「う、うん・・・小十郎は、何処?」
「王なら、仕事の為館を後にしましたよ。黒猫ちゃんに食事を与えろと賜ったので、御持ちした所です。」
「・・・・・・仕事・・・」
政宗は、机に並べられた食事を食べながら呟いた。
耳も、心なしか垂れて居る様に見え無くも無かった。
そんな政宗を見かねた使用人が話し掛けて来た。
「ねぇ。黒猫ちゃんはまだ、館に住む住人に逢った事は有るかしら?」
「えっ?無いけど・・・」
「なら丁度良いわね。折角打から、挨拶して来たらどうかしら?」
「挨拶?」
「えぇ。一緒に住むの打から、名前を覚えないと駄目でしょ?打から、挨拶廻りして来なさい。」
講して政宗は、館の中を探検する事に為った。
「・・・挨拶するって云っても、何処が何の部屋打か解らねぇしなぁ・・・」
ー・・・片っ端から、館の扉全部開ければ良いか!!
政宗は、黒猫衣装を身に纏ったまま、館の中を探検し始めた。