第5章 ~探検~
次の日。
小十郎は、隣で眠る政宗の寝顔を眺めて居た。
そんな事を露知らず政宗は、黒猫衣装を身に纏いスヤスヤと寝息を起てて眠って居た。
小十郎は、そんな政宗の前髪を掻き分け右目を確認した。
ー・・・変化無し・・・今の所大丈夫打な・・・
此が、小十郎の日課。
政宗の体調、右目の変化を確認してから、小十郎の一日が始まる。
ー・・・ふっ・・・可愛い寝顔打な・・・
勿論、寝顔を眺めるのも日課。
不意に小十郎は、政宗の首に手を伸ばし首枷に顔を近付け、呪文を唱えた。
『保護結界』と喚ばれる術式魔法だ。
此の術式を掛けられた者の身を、結界魔法で護る呪文で有る。
不意に、背後から攻撃去れても術式が発動し結界を張る仕組みに為って居る。
術式が複雑な程、結界の強度も増す代物だ。
ー・・・政宗を護る為、用心に越した事はねぇ。
術式を組終えた小十郎は、政宗を引寄せ、前髪に顔を埋めた。
其に政宗は、身体を身動ぎしたが、小十郎の胸元に顔を埋めて寝息を起て始めた。
ー・・・温けぇ・・・
小十郎は、政宗の温もりに眠気を誘われ、もう一眠りする事にした。