第4章 ~喧嘩~
「・・・何で俺・・・此に来てんだろ・・・」
其の頃小十郎は、己が『魔王』打と解らぬ様に変装して、人間界に居た。
政宗と喧嘩した手前、部屋を飛び出したは良いが対して行く当も無く、人間界に来たが遣る事も無くぶら付いて居た。
ー・・・別に、政宗の事が嫌いに為った訳じゃねぇが・・・俺から謝るのも、何か尺に障る・・・
一人で、廃墟の街中を歩くのは矢張と云って云い程目立ち、人々の視線を集めて居た。
ー・・・矢張・・・人間は人間と吊るんだ方が良いのか?
小十郎は、廃墟に為って尚も増え続ける人間に目線を向けた場所には、家族と思われる人間が笑い有って居た。
ー俺には・・・解らねぇ・・・家族って奴が・・・
小十郎には、家族と云う者が居ない。
其の為か、家族の愛や温もりを浴びずに生きて来た為『愛情』が解らなかった。
そんな小十郎でも、政宗に対して『愛情』と云う感情が有った。
否、『恋愛感情』と云った方が正しいが、小十郎の情は、政宗に対する想いで満ちて居た。
ー・・・人間相手に、俺の感情が揺らぐ何て・・・っ!!
小十郎は、崩れ落ちた瓦礫に拳を打ち付け
ー・・・政宗・・・何故俺を拒絶する・・・
其の場に、崩れ落ちた。
ー俺が・・・嫌い打からか・・・?
小十郎は、少し前の出来事を振り返った。
「・・・朝飯・・・食い損ねたな・・・」
己の腹部を擦りながら自嘲した。
ー政宗・・・御前のせいだぞ・・・俺が、朝飯食い損ねたの・・・