第4章 ~喧嘩~
「王は、貴方の住む世界を破壊した張本人でしょ?今までにも『生け贄』は贈られて来たのだけど、王を見るなり逃げ出す者も居たの。」
「・・・其の・・・人達は・・・どうなったの?」
「・・・殺したの、王がね・・・」
「・・・・・・っ!!?」
政宗は、衝撃の事実に眼を見開いた。
使用人は、そんな政宗の髪をいとおしそうに撫でながら続けた。
「でも・・・貴方は殺さなかった・・・否、殺せなかったのが正しいのかな、貴方に同じモノを感じたから・・・」
「・・・同じ・・・モノ?」
「・・・『忌み嫌われ者』・・・圧倒的な破壊力を持つ嫌われ者と、同族から拒絶去れた嫌われ者・・・」
「・・・・・・っ!?」
使用人は、易しく政宗の両手を包み混んだ。
政宗は其に、身体を魚籠付かせた。
「・・・御願い・・・我らが王を、嫌いに為らないで・・・もう、貴方しか居ないの・・・王の『情』を癒せるのは・・・!!」
「・・・・・・っ!!」
政宗は、使用人の、否、館に住む者全ての願いに言葉を詰まらせた。
そして、政宗は観念した様に呟いた。
「・・・・・・っ・・・解った・・・小十郎に謝る・・・」
「・・・!!有難う、恩に着るわ!!貴方に頼んだ以上、私達使用人も手伝うわ!!」
「えっ?!ちょっ、何か服位着させろぉーーー!!!」
政宗は、近場に有った布を巻きながら使用人に叫んだ。