第4章 ~喧嘩~
「・・・どうして、王にあんな事云ったの?」
「・・・・・・っ、打って・・・」
「・・・・・・」
「・・・あ・・・んなに・・・易しく、去れたの・・・・・・初めて、打からっ・・・解らねぇんだよ・・・っ、」
「・・・・・・!!」
使用人は、政宗が何故、小十郎に冷たい態度を取った理由が解った。
政宗は、己に易しく接して来る人物に逢ったのは初めての経験の為戸惑い、本当は嬉しいのに、冷たい態度を取って締まったらしい。
暫く、俯いたまま泣いて居た政宗が、口を開いた。
「・・・・・・もう・・・・・・誰も、オレを愛して呉れない・・・・・っ、」
「・・・えっ?」
「・・・打って、小十郎に嫌われたっ・・・・・・あんなっ、態度取ったからっ・・・小十郎に、嫌われたぁ・・・っ!!」
「大丈夫よ。王は、貴方を嫌いに何か為らないわ。」
政宗は、隻眼から涙を流して、ベットに泣き崩れた。
其に使用人は、泣き崩れた政宗の背中を擦りながら易しく話し掛けた。
「・・・っ、打って・・・オレは只の・・・『生け贄』っ打から・・・」
「只の『生け贄』打ったら・・・王は、あんな易しい態度は取らないわよ?」
「・・・・・・?」
政宗は、未だに隻眼から涙を流しながら、使用人の話に聞き入った。