第3章 ~興味~
王は、険しい顔付きで廊下を歩いて居た。
其に使用人達は、直ぐに路を空け、王に頭を下げた。
王の只為らぬ気迫に使用人達は、顔を見合せ、王の背中を見送った。
王が、異様な迄の気迫を放つのは、数時間前に遡る。
数時間前。
帰還した王は、使用人の一人に問い掛けた。
「正直に話せ・・・何が有った・・・?」
其に使用人は、若干尻簿みしながらも話した。
「・・・っ、実は・・・王が留守の間に、『生け贄』が来たのです。」
「・・・『生け贄』が・・・?」
「・・・っ、はい・・・ですが、我等使用人だけでは『生け贄』の対処は出来無いとの結論に為り・・・っ、」
使用人は、震える手を抑えながら、意を決して報告した。
「王の自室に運びました・・・っ、」
「・・・何?」
其を聴いた王は顔をしかめ、直ぐ様、己の自室に向かった。
そんな事が有り、王は、異様な迄の気迫を放って居たのだ。
ー・・・何が『生け贄』だ!!只の侵入者じゃねぇか!!
王の頭は、己の自室に浸入去れた事に苛付いて居た。