第3章 ~興味~
其を聴いた孫市は、驚いた表情をした。
「・・・綺麗な・・・男打と!!?」
いつきは其に、表情を明るくし、荷台に掛けて居た布を外し、少年を見せながら愉しそうに話し出した。
「んだ!おら、こんな綺麗な兄ちゃん見たの初めてだべ♪寝顔なんか、ほら!御人形さん見たいだべ♪」
「・・・確かに、今までの『生け贄』とは比べ者に為らんな。」
「だべ?此で王様も・・・『退屈』せずにすむべか・・・」
「・・・あぁ・・・きっと、此の少年が癒して呉れる。王の『情』をな・・・」
いつきは、眠る様に動かない少年の髪を撫でながら嘆いた。
其に孫市は、いつきの頭を易しく撫でながら呟いた。
暫くして、王が帰還したとの報告が、館の使用人達に届いた。
王は、広い廊下を歩きながら使用人の一人に話し掛けた。
「俺が留守中に、何事も無かったよな。」
「・・・いえ・・・あの・・・」
使用人は、王を見るなり狼狽えた。
其に王は、顔色を変えて問い掛けた。
「正直に話せ・・・何が有った・・・?」
使用人は、王の放つ力に、若干尻簿みしながらも話した。