第3章 ~興味~
「・・・成程、其で私に力を借りたいと云いたいのだな?いつき。」
「んだ。孫市姉ちゃん、おらに力を貸して欲しいだ。」
「キキィ。」
いつきと呼ばれた少女は、魔の者と一緒に頭を下げた。
其に孫市は、暫く無言で考えた。
打が、申し訳為さそうに口を開いた。
「・・・すまない、いつき。私の力では、『生け贄』をどうするか決められない。」
「そう・・・だか・・・」
「『王の不在時に『生け贄』に力を奮う、又は処罰する事は禁ずる』・・・王が決めた事に違反は出来ぬからな。」
「・・・・・・」
魔界に取って『魔王』は、云わば『統一者』、詰まり『魔界の王』の為、王の取り決めは『絶対厳守』去れる。
違反した者には、処罰が枷られる。
詰まり、『死刑』。
死刑去れるか、又は種族が滅びるか。
どちらも、己の身を、一族を滅ぼす可能性が有る故に、『反乱者』の汚名が枷られる。
なので、王に『逆らわない』のが得策、『暗黙の了承』で魔界は成り立って居る。
「・・・でも・・・こんな綺麗な兄ちゃん、ほっとけねぇだよ。」
いつきは、握った拳を震わせながら呟いた。