第63章 最終章 『夢の続き』
なんで、責めないの?
私は、烏野のみんなを裏切ったのに……
なんで、そんな優しい目を向けてくれるの………?
みんなの優しさに縋りそうになる自分が、イヤになる
涙をこらえて、私は手のひらを思いっきり握り我慢した
日向
「津田すげーなっ!!!おめでとう!!!」
菅原さん
「日向もうちょっと静かにな?ここ病院」
日向
「あっ、ハイ……」
葵
「……ありがとう、ございます。すみません、心配おかけしてしまって………。」
西谷さん
「なに言ってんだッ!!チームだから……仲間だから心配かけたって良いんだよッ」
葵
「っ!!!」
田中さん
「ノヤッさんの言う通りだぜ!お前は俺たちの仲間なんだよ!」
菅原さん
「田中、西谷、落ち着け」
静まる病室
葵
「わたしは………–––––」
そんな沈黙を破ったのは私だった
情けないくらいに震えていて–––
葵
「私は、みなさんを……裏切ったんですよ?––––」
大地さん
「それがなんだって言うんだ!!!」
葵
「!」
大地さん
「葵は俺たちを裏切ったって思ってるみたいだけど、俺たちはお前に裏切られたなんて思ってないよ」
菅原さん
「葵、大地の言う通りここにいるみんな葵を憎んでないよ」
葵
「っ……うっ……でも、私は!もうバレーっ……できないんですっ
ここが、もう…っ、限界なんですっ!
これで、最後だったん、です……!
私は、みなさんと大会に出ることより!!こっちを、優先したんですよ!?なのに………!なんで………」
胸を押さえて、涙ぐしながら叫んだ
「それはみんな、葵のことちゃんとわかってるからでしょ」