第63章 最終章 『夢の続き』
表彰式––––––
すべてが輝いて見えた
各国の人達の祝杯してくれる、その視線
観衆の拍手
すべてが、すべてが…………
心地よくて、身体に染み込んでいくような感覚だった
みんなで一斉に表彰台に上がる
そして、1人ずつ金メダルを首にかけてもらう
首にかかる金の重さ
改めて、1位になったのだと実感する
そしてなんと、私はウィングスパイカー賞2位に受賞した
葵
「私、私…………幸せ」
熱いものが眼から零れ落ちる
表彰式も終わり、会見で私はひたすら質問攻めにあった
「あなたはあの、期待の星"津田 葵"さんですよねッ?!」
「どうして今まで大会に出場しなかったんですかッ?!!」
葵
「えーーーっと………––––––」
なんとか記者の嵐をかいくぐり、みんなのもとへ
そして、私達はもう一度抱擁を交わした
涙する人、嗚咽をあげる人、それぞれで喜びを表現した
朱鳥
「や"っだね"……!!づいに"ッ……ウゥッ……」
葵
「鼻かみなよ……朱鳥」
朱鳥
「だっでぇ!!かんでもかんでもどま"らな"いんだもーーんっ」
葵
「きちゃないっ!」
笑顔が絶えることもなかった
枯れるほど涙を流した
そして、帰るとき––––
葵
「………」
朱鳥
「でも、ホント夢見たいだね………」
葵
「………う」
朱鳥
「私、未だに信じられないや……」
葵
「………うっ」
朱鳥
「? 葵?––––」
朱鳥が振り向く
後ろにいるはずの彼女を
しかし––––
朱鳥
「葵ッ!!?顔、真っ青だよ!!!?大丈夫?!」
葵
「う、ん………だい、じょうぶ
嬉しくて、怖く……なっちゃった、のかな……?」
朱鳥
「震えてる………!待ってて!!みんなを呼んできて誰か助けてくれる人見つけてくるからッ!!!」
彼女は走っていった
私は、彼女を掴もうとして、しかし届かなかった