第63章 最終章 『夢の続き』
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葵
「はぁっ、はぁっ………、ふぅーーー………」
最後の長い笛の音を聞いた途端、私は手を膝につき息を整えた
朱鳥
「あー……、負けるかと思ったよ……」
肩越しに電光掲示板を見やる
獲得セット数 3ー2
点数 22ー20
5セットマッチの試合は3セット先取で勝つ。第5セット目だけは先に15点決めればそのセットをとることができる
デュースが続き、私たちは命からがら何とか逃げ切った、という感じだ
にゅっ、と現れる肢体
頭の上にハテナを浮かべ、顔を上げてみるとそこには先程激戦を繰り広げた相手、アメリカ人選手が立っていた
私も立つと、アメリカ人選手は「I'm sorry sometime ago.You're really a wonderful player!!」と言ってくれた
葵
「No problem! You're very strong,too!! Thank you!」
グッ、と握手を交わす
朱鳥
「な、何て言ったの?」
葵
「"さっきはあんなこと言って悪かった。あなたは本当はとても素晴らしい選手なんですね!"って言ってくれたから全然いいよ〜、あなた方もとっても強かったです!ありがとうって言ったの」
朱鳥
「なる、ほど……」
かくして、私のワールドカップバレー1日目は終わりを告げた
残るは明後日の名古屋での中国との戦いを残すのみ!