第62章 未来への架け橋
葵
「よーし!次もバッチこーい!」
ドシャットを決めた快感でつい浮かれ気分になる
ネット際から離れようとしたら、クンッと何かが服の裾を引っ張った
ネット下をくぐった手が私の服を掴んでいる
その腕を見、顔を確認すれば大好きな幼馴染の顔
葵
「? どうしたのクロ」
クロ
「おい、笑ってごまかすな」
ヒソヒソと言ってくるクロ
葵
「なにもごまかそうとしてないよ?」
私は笑顔で声を控えて返す
蛍
「!」
クロ
「チッ……、いいから休め。お前、顔色悪い」
葵
「……だいじょうぶ、だから」
クロ
「うるせぇ」
クロはこちらのコートにネットをくぐり抜けて来て、私の首根っこをつかむ
葵
「グエッ!ぢょ、ぢょっど!!グロ!ばなじでー!」
首詰まってる!
首詰まってるから!!
クロ
「あ、わりぃ」
と今度はガッシリと腕を脇の下に回してそのまま上へ持ち上げられる
葵
「え。ナニコレ。恥ずかしい!!下ろして!!」
クロ
「ハイハーイおっきな赤ちゃん。おねんねでちゅねー?」
葵
「子ども扱いするなっ」
足をじたばたさせても当然クロの方が背が高いから、私の足は虚しく宙を蹴る
クロ
「…ったく、世話かかる奴だなお前は。
おい!ちょっとこいつ寝かせてくるわ〜」
赤葦さん
「え、あ、ハイ。」
木兎さん
「え、なんで!!葵ー!!」
リエーフ
「おやすみー!」
え、誰か止めようとしてよ!!!