第62章 未来への架け橋
そして今度はこっちがサーブの番
リエーフがアンダーで入れる
それを軽々とレシーブしたクロ
上がったボールをまるで、獲物を見据えるような眼で追いかける木兎さん
助走の踏み切り
身体の向き
手の角度
肘の曲がり
木兎さんが助走したと同時にそれらの幾つかを確認する
そして、自分もまた数本後ろへ下り軽く助走をつける
こうでもしないとブロックの上から抜かれるかもしれないので!
ネット越しに木兎さんと私が対峙する
もちろんその横にはリエーフもブロックに跳んでいた
視線の先
葵
(センター!)
グッと手を突き出す
瞬間、ドバチッと自分の手から派手な音が鳴り響く
そして思い出したように痛みがあとからやってくる
けれどそんな痛さを感じてる暇すらなかった
私の意識はすでにボールにあった
着地するとボールは向こう側にあった
ほっと一息つくと同時に、ヅクリとした胸の痛み
急な痛みについ眉根を少し寄せた
クロ
「! ……すげぇな。お前ブロックなんて跳んだことなかったのに」
葵
「たまには止めてやりたいよね☆」
木兎さん
「くっそぉ……!悔しいけどなんかすげぇ!!」
赤葦さん
「本当に、まさにオールラウンダーって感じですね」
リエーフ
「何スかそれ!オールラウンダー!かっけぇっス!!」
クロ
「お前オールラウンダーも知らねぇのか……」
葵
「あ、あはは……」
照れくさくて頬を少しかく