第61章 これも運命ってやつかな……?
影山
「……いや」
日向
「……は?!」
葵
「ど、どうしたの……影山?」
私達2人は影山の突然の発言に目を白黒させる
影山は、眉間にこれでもかというくらい寄せ付けて、床を睨んでいる
何か怒らせてしまったのかな?
影山
「……久しぶりなんだ……
俺は、お前にも俺のトス、打ってほしぃ……」
?????
あ、あれ?
気のせい、だろうか
なんだか影山が幼い子供のように見える
葵
「う、うん!わかった」
ガバリと目を見開きキラキラ光線で私を見る影山
ま、まぶしい……
日向はというと、私と影山を交互に何度も見やっていた
日向がまず最初に影山にトスを上げてもらう
いつもと同じ、ドンピシャで見ていて気持ちがいい連携
そして私の番
影山の顔が、心なしかソワソワしているような気がし……
いやあれ、ソワソワしてる
気のせいじゃなかった
葵
「いくよー」
声をかけ、持っていたボールを柔く、高く、影山の方へ下から投げ渡す
同時に走り出した
影山のキレイなセットアップ
私が踏み込むと同時に、影山の手からはすでにボールが送り出されている
身体を反り、押し出すように反動を使ってボールを叩き込む––––
はずだった。
スカン。
葵
「!!」
影山
「!!?」
私はまた、空ぶりしてしまった