第61章 これも運命ってやつかな……?
菅原さん
「葵、大丈夫か?」
ずっと掌に視線を落としていた私に声を掛けてくれた菅原さん
「ごめんな」と申し訳なさそうに言ってくれる
葵
「何言ってるんですか。菅原さんは何も悪くないですよ」
もう一本お願いしますね、と笑った
菅原さんも、よし、と言ってトスを上げてくれる
キュッ、キュッ
助走をする度靴が床に擦れる音がする
視線はボールだけを見て
踏み切った–––
ドッ、と手に残る感触
よかった、今度は当たった……
着地後ホッと一息つく
「おっ、生還影山!どうだったよ!?」
日向のその声に反応する
扉には『セッター魂』と書かれたTシャツを着た影山
センスどうしたと突っ込みたい……
葵
「影山、おかえり」
影山
「おう。葵……帰ってきてたのか」
葵
「うん、少し前にね。偵察、どうだった?」
影山
「………俺は––––
俺は一生、及川さんに勝てないのかもしれない」
日向
「!!? 何言ってんだフザケんな!!
何見たんだ!!」
葵
「ひ、日向、落ち着いて」
影山
「……青城は––––」