第60章 二者択一
パチリ
目を開ける
自然と携帯に手を伸ばし時間を確認するのはもう病気のような癖となってしまった
8月12日
日曜日
一次予選を突破し、無事代表決定戦進出となった彼等–––烏野チームは今何をしているだろうか
半目で歯磨きをしながら考える
ふと、昨日の夢を思い出した
あれから色々と夢を見たけど、やはり印象強く残っているのはいつもあれ
考えてみても、わからない
葵
(やめよやめよ……。朝から頭使うモンじゃない……)
問題なのはまず、今日どう生き延びるか、だ
あの過酷な練習がまだ1日しか終えてない
先が思いやられる
「おはよ。早いね」
葵
「あ、主将さん。おはようございます」
背後から声をかけてきてくれたのは、昨晩私にフジクジラを教えてくださった主将さん
曰くこの人、とっても優秀な方らしい
その上美人
そんな方が今、私の隣に立っていらっしゃる
ああ、横に立つことが申し訳ないとも思ってしまう………
そしてオーラがまぶしい
目が痛い
なんか、目がやっと覚めた気がするヨ……
お先に失礼しますと一声かけて、私は日課のランニングをしに外へ出た
今日も、清々しい朝日が昇っている
1日がまた、始まるのだなと思わされた