第60章 二者択一
人間は元来、2つのことをいっぺんには出来ない
『二兎追うものは』から始まるあのことわざのように、2つの兎を追いかければ、果たして一兎も得られない
そして、これには中途半端に切り替えてしまった為という原因もある
すなわち–––
中途半端に2つのことをいっぺんにしようとすれば、結局1つもいいことが得られない、というわけである–––
『二者択一』
何かを得る為には何かを犠牲にしなくてはいけない––––
え?何が言いたいのかって?
うん。
教えましょう………
この夏休み、私にとって非常に充実しておりました。
私にとって充実している……、それはつまりバレー漬けの日々に私は精一杯、強くなろうと毎日努力を怠らなかったのである
ここまではOK?
と、なるとだね………
みなさん、思い出してみてください………
あなたにとって、夏休み期間
最もイヤなこととは何か
すぐ思い浮かぶのではないでしょうか。
そう!宿題!!!
かっこよく言おうか!!
夏期休暇中の課題ダァァァア!!!!
「落ち着いて!!」
横からオロオロと私の惨状に困る主将
ケタケタ面白いと笑う関西弁の先輩
いや、何1つ面白くないヨ……
葵
「モウオワリダ………。ナニモカモ…」
主将さん
「だ、大丈夫だから!!ま、まだ間に合うよ!!うん!」
え、いま8月12日。
学校まで後1週間、切ってる。
間に合う……のか?
関西弁の先輩
「で?残ってるんは〜
読書感想文に〜、数学のプリント10枚に〜?後国語のワークもあるん??
これ、ヤバイやつちゃうん!」
あはははっ、と笑ってくださる先輩……
ヤバイ……
これ、ほんとにヤバイやつ。
あれだ、コレ
宿題をとるか、バレーをとるか……
まさに、二者択一。