第60章 二者択一
「えらい百面相して、誰としてるんやー??」
にひひ、と笑いながら覗きこんできたのは関西弁の先輩
「なんや彼氏か?」
なんて付け加えながら
葵
「そんなんじゃないですよ!男子で2メートルの人って、いると思いますか?」
私は知っている
女子という生き物はこういった"恋バナ"とやらにやたらと食いついてくることを
そして1度食いついてしまえば、それはもうスッポンのように離さないことを
つまり、私にとって面倒であることを–––
関西弁の先輩
「2メートル?せやなぁ……見たことないけどおるんちゃうかえ?
なにせ、男子やし……」
葵
「そうなんですね……」
関西弁の先輩
「で?」
葵
「で??」
関西弁の先輩
「で、どうなんよ?彼氏かえ?」
オッフ………
戻ってしまった
というか、さっき否定したはずじゃ……
葵
「いませんよ〜
あ、あとフジクジラってなんですか?」
関西弁の先輩
「なんや残念……
フジクジラ……?縁起のよさげな名前やなぁ」
葵
「フジクジラなしってことは、道具か何かかなぁ…?」
関西弁の先輩
「そういうことなら、頭脳明晰我らが主将に、聞くとええで」
主将
「で、どうしたの?」
関西弁の先輩
「フジクジラってなんやろなって話」
葵
「ご存じですか?」
主将
「魚の名前……でしょ?
確か、サメの仲間だったはず」
葵
「クジラなのに……サメ?」
関西弁の先輩
「ええやん!面白くって」
葵
「………?」