• テキストサイズ

【ハイキュー!!】夢の続き

第60章 二者択一



「はー……、泣いた泣いた」

久しぶりかもしれない
こんなに泣くのは
おかげでこめかみは痛いは目頭は熱いわ

でも、嫌じゃなかった




「子供みたいにわんわん泣いてたもんね」


「蛍も泣いていいんだゾ?」

ほれほれ、おねーさんの胸で泣けや!と両腕をばっと広げれば、ほらそんな顔する
まったく、可愛くない奴め


日向
「津田……さん?」


「え、なに?どったの日向」

いきなりの他人行儀で少しショック

日向
「なんか、女子を呼び捨てるのも気がひけ……」


「別に気楽に『葵』でいーよ」

にししと笑って答える
日向可愛いやつ




「もうこんな時間か……。そろそろ行くね」

体育館の扉に手をかける
みんなが見送ってくれる
明日は一次予選だというのに、大切な練習時間を割いてまでしてくれる

見送りなんていーよって、言ったのに中々聞き入れてくれなかった




「みんな、頑張ってくださいね!私も応援してます!」

大地さん
「おう!葵も頑張れよ」

日向
「ぜってー突破してくる!」



「うん。期待してる」



笑顔で告げて、私は走って行った



"期待してる"–––

あの頃は嫌いだった言葉
期待されたら答えなきゃいけない
それが重荷だった



けど、今は違う

いまは、こんなにも心が軽くて、でもすごく『がんばろう』って気になる


空を仰いでから、校門で待つ水落の車へ乗り込んだ


/ 658ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp