第60章 二者択一
日向
「津田、なんで謝ってんの?お前、なーんも悪いことしてねぇじゃん!なぁ、影山?」
影山
「おう」
田中さん
「確かに、お前が女だっていうことには驚いたけどよ……
"ネットのこっちっ側に居る全員、もれなく『味方』"だろ?」
西谷さん
「そうだぞ!!俺はお前が女子だろーが、男子だろーがお前への見方は変わんねぇ」
おとうさん、おかあさん
私、本当に、ここに来てよかった
ううん。
ここまで、頑張って生きてよかった………
武田先生
「葵さん。彼らもまた、あなたを信じてます
あなたが皆さんを大好きなように、皆さんもあなたのことが大好きなんですよ
ほら、顔上げて」
ゆっくりと頭を持ち上げる
涙で赤くなった目
みんなの優しい瞳
こんなにも、あったかい………
葵
「ありがとう、ございます……」
嗚咽交じりの声はみっともなかったけど、みんなにっこりと微笑んでくれた
繋心
「一応、こいつの正体を知っているのはウチの部だけだ
だから、部活以外は男として接してやってくれ」
力強く頷いてくれた
それを見て、私は更に涙が溢れた
緊張の糸がプツンと切れたかのように、私は泣き崩れた