第59章 菅原さんの想い
バスは不規則にもゆらりゆらりと揺れて、アスファルトを蹴って走る
依然として私は窓枠に肘をつき顎に手をあて景色を眺めていた
夕陽もすっかり落ちてしまい、辺りは暗い
隣の大地さんはすでに眠ってしまってからかれこれ20分が過ぎようとしていた
将来なんて、誰もわかりやしない
わかりきった未来なんて、なんの面白味もない
とか、よく言うけれど
1つだけ、わかりきった未来がある
それは、人はみんな、死ぬ、ということだ
誰しも死は訪れる
死が訪れないものなんていない
確かに、もしかしたら明日、私は何らかのかたちで命を落とすかもしれない
もしかしたら車に撥ねられ、もしかしたら通り魔に襲われ、もしかしたら事件に巻き込まれるかもしれない
人生とは–––
一貫として人生とは、死への尺度が違うだけなのかもしれない
もちろん持論だけど
葵
「きっと、君たちならやってくれると信じてる
だから、私をゆるしてね?」
そこで私は眠りについた