第59章 菅原さんの想い
葵
「な、何ですか」
大地さん
「先に話を振ってきたのは葵だろ?」
葵
「うぐっ……」
言いくるめられてしまった
正直、別に今大地さんがモテるモテないなぞ知りたいわけじゃない
こんな寛容のある人、むしろわかりきってるようにモテているはずなのだから
無論、道宮先輩は大地さんに気があるようにみえる
では、なぜ私はこのような話題にしたのか
別に意味はない
意味はないのだが、度々積み重なるハプニングをどう受け止めればいいのかわからないだけなのだ
どうやら隣に座る、烏野バレー部大黒柱であり、父である彼、澤村大地さんはそういった感情には疎そうにみえる
大地さん
「お前、俺のこと"疎そう"とか思ってるだろ」
横目で見てくる彼
ギクリとする
大地さん
「俺だって主将である以上、仲間のことを気にかけなきゃならないからな
お前ほどではないけど、俺だって人を見てる」
葵
「恐れ入りました……」
大地さん
「で、話戻すけど、今まででそういった付き合いとかは?」
葵
「あ、ちょっと楽しんでますね?大地さん」
大地さん
「いいじゃないか、せっかくだし?」
葵
「ないですよ
小学校なんて、付き合うってこと自体分かりませんでしたし、中学はあんまり学校に行けてませんし」
そもそも男付き合いというものは無縁なのだ
まともに喋るのはクロと研磨くらいだった