第59章 菅原さんの想い
菅原side
葵は眩しい夕陽を目を細めながら眺める
葵
「……菅原さん、私、ここ……宮城に来て、ううん。
烏野に来て、よかったと思います」
「ここは埼玉」
葵
「は!そうでしたね!!やられました〜」
えへへと笑う彼女
わかってる
俺だって、空気くらい読めるさ
だけど、今の言葉は俺には〈お別れの言葉〉に聞こえた
そんな顔しないでくれ
そんな顔されたら、俺……
悲しくなる
葵
「もうお開きするみたいですね……
はぁ……、何だかあっという間でしたね。がっしゅー」
ギュッと腕に力を込める
葵
「す、菅原さん……?」
「ごめん葵」
俺はすぐに彼女を解放して「片付けてくるな」と言い彼女の紙皿と割り箸を一緒に持って歩いていった
ドクンドクンと心臓が脈打っているのがわかる
俺ー
なにしてんだろう。