第59章 菅原さんの想い
あちらこちらから焼肉の良い匂いが漂ってくる
葵
「菅原さん、はやく行かないとお肉なくなりますよ」
菅原さん
「あ、うん……
そうだ、俺葵の分取ってくるよ」
え、いいですよ
という前に菅原さんはピューッと駆けて行った
「葵……」
となりをストンと腰を下ろし私の名前を呼んだのは、研磨だった
葵
「研磨。どうしたの?」
研磨
「足……大丈夫?」
葵
「うん、ヘーキだよ」
研磨は私の目をじっと見て、それから目元を細めて少し笑った
そっか、と
「ほい」
目の前に突き出されたおにぎりと焼肉が乗った紙皿
菅原さんがにこやかにこういった
菅原さん
「野菜もちゃんと食べるんだぞ〜」
葵
「え、えぇ〜
菅原さん、これピーマンばっかりですよ〜」
菅原さん
「ちゃんと食べなさい」
葵
「うぅ………」
蛍
「キミ、ピーマン食べられないの?おこさまだねぇ」
葵
「む。そういう蛍は食べられるの?」
蛍
「キミと一緒にしないでくれる?」
大地さん
「月島もっと食べなさいよー」
蛍
「!」
大地さんが紙皿いっぱいに乗ったおにぎりとお肉達を持ってきた
もう片方の手でおにぎりを頬張っている
蛍
「いや……僕はこんなにはー」
葵
「ははーん。さては、月島クン
野菜食べられないのかな?」
クロ
「オラー野菜も食えよー
研磨もだコラー」
研磨がビクッと肩を跳ねる
大地さん
「米を食えよ!」
木兎さん
「肉だろ!!肉を食え!!」
クロ
「お?葵ー
お前ももっと野菜食えよ!」
葵
「い、いらぬ……!」
木兎さん
「大きくなれないぞ!!」