第58章 待っているもの
大地さん
「葵!最後頼む!!」
葵
「はいっ!」
ギュッと足に力を入れて地面を蹴り上げた
ネットの白帯と同じ目線
腕にはボール
視線の先は相手コートの隙
バシィン!!!
ブロックの手を押しのけボールは相手コートへ落ちた
私も地面に着地をする
と、その時
ゴキ、
鳴るはずもない音が鼓膜を震わせた
瞬間走る痛みとともに、私は体のバランスを崩し床に倒れ込んだ
「津田!?!?」
部員の焦る声が聞こえ、バタバタと床越しに走って寄ってきてくれてることが分かった
葵
「すみません……
捻挫したみたい、です」