第58章 待っているもの
たはは〜〜と笑いながら上半身を起こし、笑いかける
みんなの顔が、ちょっと怖い
あれ?なんか怒ってる??
怒ってらっしゃる??
なぜだ……
大地さん
「立てるか?」
手を差し伸べてくれた大地さん
そこでようやく気づく
あ、試合止めちゃってるからかな
ならば、早急にこのコートから退出せねば!
葵
「大丈夫です」
よっこいせと言いながら1人で立ち上がる
捻挫なんて、バレープレーヤーなら誰だってする
避けては通れないし
ひょこひょこと足を引きずりながら私はベンチへ向かった
すると、
ヒョイ
視界が一気に天井へ向けられた
同時に足と肩に人の感触
葵
「か、影山!?
ちょ、下ろせっ!」
影山
「うるせー
暴れたら落ちるぞ」
いやそんな事言われましても、ね?
こんな人いっぱいの中でお姫様だっことやらをされても、ね??
鋼のハートの持ち主なら耐えれるでしょーが、あいにく私にはそんなメンタル強くないのでこの状況、耐えられません
恥ずかしすぎる
葵
「影山さん、これは恥ずかしいというかなんというか……」
影山
「俺だって恥ずい」
なら止めてはどうでしょうか!!?
と心の中でツッコミ
しかしこれを言うとなんか、突然手を離されたりして落とされそうだ……
とりあえず黙っておこう